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tanihito’s blog

IT・Web・英語・筋トレなど、興味のあることについてつらつらと書いてきます。

イノベーションのジレンマから考えるAKB48ブームの理由

以前の記事でも書きましたが、AKB48のライブに行ってきました。

tanihito.hatenablog.com

前回はAKB48というグループの中でどういう娘が応援されやすいかというミクロな話をしたので、今回はなぜAKB48がここまで人気なのかというマクロな話をしたいと思います。

さて、みなさんは『イノベーションのジレンマ』という本をご存知でしょうか?有名な本なので読んだことのある人も多いと思います。この本の中でクリステンセン教授は、大企業がベンチャー企業に負けるのはどのような時かという分析を行っています。

下の図を見てください。青線が既存プレイヤーの性能、赤線時間が新規プレイヤーの性能を示しています。新規プレイヤーの性能が顧客が求める性能に追いついたときに破壊的イノベーションが起こり、新規プレイヤーが一気に市場を奪うようになりますAKB48が登場した時にも、このような破壊的イノベーションが発生したのだと僕は考えます。

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出典:『イノベーションのジレンマ』早わかり講座 | Biz/Zine

アイドルにとっての性能とは何のことでしょうか?人によって重視する項目は異なるとは思いますが、見た目や歌・ダンスの上手さなどが挙げられます。昔のアイドルの動画などを見るとわかりますが、今のアイドルはみんな美人で歌も上手いですよね。昔のアイドルは正直垢抜けない顔してますし、ダンスもその場で軽く身体を動かすぐらいです。ちょっと練習すれば僕もできるんじゃないかなという気になります。一方で今のアイドルはみんな技術高いですよね。E-girlsダンスとかめちゃくちゃ格好いいと思います。

これまではアイドルの人気は見た目・技術などの性能で決まっていました。しかしアイドル養成の方法が確立されるに従って、ほとんどのアイドルが売れるのに必要とされる基準を超えるようになってきました。顧客が求める水準をすでに超えている以上、これ以上いくら努力をしても意味がなくなるということになります。

このような成熟市場において、どうすれば顧客から求められる製品(アイドル)になれるのか。1つは価格競争に勝つことです。アイドルがコモディティ化している事を受け入れ、できるだけ安い価格で製品を提供します。例えばアイドルのCDを買うことを考えてみましょう。いいなと思う曲があった場合、以前はCDを買う必要があったため、関係ない曲もまとめて購入する必要がありました。その後iTunesの登場によって欲しい曲だけ買うことができるようになり、音楽販売の単価が下がったと考えられます。さらに最近ではSpotifyLINE MUSICのような定額で音楽が聴き放題のサービスが増えてきました。このように曲の単価はどんどん低下を続けています。音楽がコモディティ化しているため、ある程度の水準を超えていて今の気分に合ってさえいれば誰の曲でもかまわないのです。

もう1つの方法は、顧客に新しい価値基準を提案してそこで勝負をする方法です。AKB48はこちらの選択肢を選んだのではないかと考えます。AKB48が提案した新しい価値、それは『会いに行けるアイドル』という価値です。普通のアイドルのコンサートが開かれるのは年に数回ですし、金額も7・8千円すると思います。一方のAKB48AKB48劇場という会場を持ち、ほぼ毎日コンサートを開いてます。金額も3千円程度と安くなっており、気軽にアイドルに会える仕組みがされています。同じくらいに可愛いアイドルであれば、会いに行けるほうを選ぶ。一度会えばファンになり、さらに多くのCDを購入してくれる。これがAKB48が人気になった理由だと思います。

タレント業界にかかわらず、ある程度市場が成熟してくれば必ず価格競争に巻き込まれます。そんな時はAKB48のことを思い出し、一歩引いて「顧客にどんな新しい価値を提案できるか」を考えると良いのではないでしょうか。