tanihito’s blog

デジタル・新規事業開発・健康など、興味のあることについてつらつらと書いてきます。

「Search Inside Yourself」に参加してきました

先週末に開催された、Search Inside Yourself(SIY)のセミナーに参加してきました。今回はその参加レポートを掲載します。

Search Inside Yourself(SIY)とは、Googleが開発したエモーショナルインテリジェンス向上のための手法のことです。エモーショナルインテリジェンス(EI)は、日本ではEQとして知られており、心の知能指数とも言われます。EIと聞くとちょっと怪しい感じがしますが、そこはGoogle。最新の脳科学の研究に基づき、EIを改善する方法を科学的に解説してくれました。

僕がSIYに参加した理由は『不確実な状況でも落ち着いて行動できるようになりたい』と考えたからです。最近仕事で色々と変化がありまして、環境ががらっと変わりました。慣れない環境で先行きが不透明な状況が続くと、自分が本当にパフォーマンスを出せるのか、このままで大丈夫なのかと不安になることがあります。

そこで不安を解消する方法を調べたところ、マインドフルネスという瞑想方法に行き着きました。これをやれば気持ちを落ち着けることができるそうなんですが、やり方を聞いてもいまいちよく分からないんですよね...。人によって手順もバラバラですし、どうしてその手順が必要なのか、どうして効果があるのかの説明もなく、納得感が得られませんでした。そこで、科学的な裏付けに基づいた手法を教えてくれるSIYに興味を持ちました。

実際にSIYに参加してみた感想は、実によく組み立てられたプログラムだな、ということです。Googleでエンジニア向けに行われていた研修が元になっていることから、とにかく説明が論理的でわかりやすいです。全体の構成も、最初にEIの定義・EIが重要と考えられている理由を説明し、その後EIの構成要素について解説していくため、参加者が全体像を把握しやすくなっています。

これまでは科学とは最も遠い存在であった「感情」について、初めて科学的に説明した点において、SIYは非常にユニークで意義のある取り組みだと感じました。自分の感情のコントロールや、他者との関わり方を改善したいと考えているビジネスパーソンにはとてもおすすめです。一方、理論的な背景など興味がない、やり方だけ教えて欲しいという人にとっては、説明が冗長に感じるかもしれませんね。

2日間のセミナーはとても密度が濃く、全てをブログに書くことはできません。それこそSIYについて何冊もの本が出版されています。そこで、僕が一番印象に残った言葉だけ紹介させていただきます。

それは『心はスノードームに似ている』ということです。

スノードームの中に何が入っているか見たいと思った時、スノードームを揺らす人はいません。揺らすと雪が舞って中が見えなくなってしまうからです。スノードームを透明にして中に入っている物を見るには、スノードームをそっと置いて観察し、雪が止むのを待つ必要があります。

心もスノードームと同様で、落ち着こうと努力すればするほど緊張してしまいます。落ち着こうと努力するのではなく、今の自分の心の状態はどうなっているか、呼吸はどうなっているかを客観的に観察する。そうすれば自然と心が落ち着いてきます。

セミナーでは、これ以外にも様々な手法が紹介されていました。モチベーションを高める方法、相手と共感する方法、などなど。もし興味がある方は、まずはこの書籍を読んでみてください。セミナーで紹介された内容がわかりやすくまとまっています。