Word2007で論文を書くときに知っておくべき10のこと
論文を書くときはTeXを使うのが当たり前でしたが、最近はWordのスタイルしか提供されない学会も多くなっています。TeXでできることは全てWordでもできるので、きちんとしたWordの使い方をマスターしましょう。なお、ここに書いてある事をもっと詳しく知りたい人にはエンジニアのためのWord再入門講座がおすすめです。
1. キーバインド変更
普段Emacsを使っているなら、まずはAutoHotkeyをインストールしてください。Emacs.ahkをスタートアップに入れることで、ほぼ完全なEmacsキーバインドを実現できます。Emacsキーバインドにするソフトは他にもXKeymacsなどがありますが、僕は自由度の高いAutoHotkeyを愛用しています。
2. 基本設定
おすすめの設定です。左上のWindowsボタンから[Wordのオプション]を選んで変更してください。
- [表示]:すべての編集記号を表示する
- [詳細設定]->[構成内容の表示]
- [ブックマークを表示する]にチェック
- [文字列表示枠を表示する]をチェック
- [フィールドの網掛け表示]を表示する
- [文章校正]->[オートコレクトのオプション]
- オートコレクトタブ:「2文字目を小文字」と「CapsLockの押し間違えを修正」のみチェック
- 入力オートフォーマットタブ:「’’を変更」「ハイフンをダッシュ」「長音をダッシュ」のみチェック
3. フォントの設定
論文だと英数字はTimes New Romanで書くのが普通です。[ホーム]->[スタイルの変更]->[フォント]->[新しいテーマのフォントパターンの作成]から、英数字用のフォントをTimes New Romanに、日本語文字用のフォントをヒラギノ明朝体3に変更しておけば、毎回フォントを変更する必要がなくなります。
4. 見出しの変更
1.[ホーム]メニューの[段落]にある[アウトライン]ボタンの「▽」をクリック。[新しいアウトラインの定義]を選ぶ。
http://blogs.dion.ne.jp/road_stardust/archives/7312139.html
2.「新しいアウトラインの定義」ダイアログで、左下の[オプション]ボタンをクリックする。ダイアログ右側と下側が広がって、詳細な設定ができるようになる。
3.ダイアログ左端のレベル番号を選び、右端の「レベルと対応付ける見出しスタイル」で対応付けたいスタイルを選択する。
4.[OK]ボタンでダイアログを閉じる。
5. 図を貼る
「Wordは図が勝手にうごくからイヤだ」という人はけっこう多いですよね。完全に防ぐのは難しいですが、図を選択して[図ツール]->[書式]->[位置]->[文字列の折り返し]を設定することである程度コントロールできます。TeXでいう\begin{figure}[tbp]の[tbp]です。
6. 図表番号の挿入
図表番号を直接入力してしまうと、途中に図を加えた際にその後の番号を全て修正しなければなりません。ここでもWordの機能を利用しましょう。図を右クリックして[図表番号の挿入]から番号をつけていけば、番号は自動的に修正されます。
7. 図表番号の参照
「〜を図2に示す。」のように、本文中で図表番号を使いたい場合も多くあります。人手で入力すると番号を対応させるのが大変なので、[参考資料]->[図表]->[相互参照]を利用しましょう。
8. 参考文献を自動で作る
論文を書き終えたら、参考文献一覧を作成します。初期設定では変なスタイルしか入っていないので、参考文献スタイルを自分で追加します。BibWord stylesをC:\Program Files\Microsoft Office\Office1\Bibliography\Styleに置くと、[参考資料]->[引用文献と文献目録]->[スタイル]からACM・IEEEなどのスタイルを選択できるようになります。
9. 目次の作成
ここまででほぼ論文は完成です。最後に目次を付けましょう。3. 文章構成を決める で説明した方法を使っていれば、[参考資料]->[目次]->[目次の挿入]から簡単に目次を作成できます。
10. PDFに変換
最後に、WordからPDF形式に変換します。Microsoft Office プログラム用 Microsoft PDF/XPS 保存アドインをインストールすれば、簡単に変換ができます。